会長のことば

会報75号 会長巻頭言「特定少年」への関わり方を考える  

大阪府における大麻事犯の検挙人員が年々急増しており、その内未成年者、特に高校生へのまん延が深刻な問題となっています。当会では、家庭・学校・地域社会において薬物乱用を許さない環境づくりのために、市内小中学校において「薬物乱用防止教室」を開催してきました。子どもを薬物乱用の魔の手から守るのは大人の責任です。大麻事犯の詳細について本誌「この人に聞く」で寝屋川警察署生活安全課長への取材を掲載していますのでご一読下さい。そんな中、改正少年法が4月1日施行されました。民法改正で新たに成人の仲間入りをする18歳と19歳を「特定少年」と位置付け、罪を犯した場合の扱いを厳しくする内容となっています。この改正少年法では、18歳・19歳の虞犯の規定が適用されなくなります。仕事をしていない、学校にも行っていない、家庭からも離れている、そういう特定少年に誰が関わっていけるのか、難しい問題ではあります。各都道府県にある少年鑑別所では「地域援助」を業務としており、かねてより一般家庭の無料相談にも応じてくれているので、特定少年にも引き続き対応していただけるものと思います。こういった少年の問題について、もっともっと考えていく必要があると思っています。3月には、米アカデミー賞で「ドライブ・マイ・カー」が国際長編映画賞を受賞しました。妻を亡くした主人公が様々な人との交流を通じて自身を見つめ直し、喪失から再生を遂げていく物語です。政府が4月に公表した、コロナ禍で深刻化している孤独・孤立問題の全国実態調査の中で、7割が人と直接会ってコミュニケーションをとることが減ったと回答。この映画の時代設定が、人との交流が制限される現在のコロナ禍であれば、主人公は再生できていなかったのではないかと思います。また我々の活動である対象者の更生改善に対しても現在は難しい時代だと思います。4月に入り、社会生活は徐々に戻りつつあり、当会においても活動を再開できそうに思います。皆様のご協力をよろしくお願いします。

会報74号 会長巻頭言「情報発信に努めます  

あけましておめでとうございます。一昨年から続く新型コロナウイルス感染症について、これを書いている今現在、新規感染者数は一旦落ち着いてはいますが、次の第6感染拡大防止対策が活発に議論されており、まだまだ予断を許さない状況です。

当保護司会も一昨年来多くの行事が中止を余儀なくされ、保護司の皆様が直接顔を合わせる機会が減少しているため、組織的な活動を展開する意欲の低下を懸念しているところです。現在も保護司会の運営は極めて難しい状況ですが、必要な情報は適宜発信するよう努めたいと思います

昨年7月、「保護司活動に関する一層のご理解・ご協力について」という表題の下、総務省・法務省より寝屋川市長あてに協力依頼文書が発出されました。

 内容は、①保護司の定数確保 ②自宅以外の面接場所の確保 ③更生保護ボランティアに対する顕彰 ④協力雇用主に対する優遇措置 ということです。

 過日寝屋川市の保護司会担当部署と協議の席上、更生保護活動については従前より市役所各部署は精一杯の支援を行ってきた経緯があり、保護司会からの要望にNOと言ったことはありません、という言葉を聞き、大変心強く感じたところです。

 保護司活動におけるICT(情報通信技術)活用の一環として、活動の一部をWEB上で行うことを目的とした「保護司専用ホームページ」が今年度中に利用可能となる予定です。現在は準備段階として当保護司会で3名が大阪保護観察所にアカウント登録しておりますが、準備期間終了後、登録を希望される方には詳しい内容を説明の上、案内されることになっています。利用が開始されると今までの保護司活動上の問題点のいくつかは解消されると期待しています。

 終わりに、このコロナ禍において、保護司の皆様には感染予防と更生保護という相反する行動をとることに苦慮されていることと思います。ウイズコロナ時代の更生保護活動について、皆様のご意見ご要望を是非お聞かせください。対象者の支援でお困りの場合は役員会にご連絡ください。一緒に支援を進めていきましょう。

会報73号 会長巻頭言「新しい時代の保護司会に向け  

新型コロナ感染症の蔓延で世界はがらりと変わりました。保護司会行事はほとんどが中止となり、総会も2年続きで書面決議となってしまいました。そのような時期に会長という大役を仰せつかり、身の引き締まる思いと共に責任の重さを感じております。

「再犯の防止等の推進に関する法律」に基づく「地方再犯防止推進計画」が、第4次寝屋川市地域福祉計画に内包される形で策定され今年度より施行されます内容は、①更生保護三団体が取り組む「社会を明るくする運動」の周知啓発などを通じて再犯防止に関する地域での理解の促進 ②更生保護サポートセンターの運営支援 ③更生保護三団体と就労・住居の支援機関との連携強化に取り組む、となっています。犯罪や非行をした者の中には立ち直りに多くの困難を抱える者が少なくありません。社会復帰後、地域社会で孤立しないよう、今回策定された再犯防止推進施策の効果的な運用と更なる深化に向けて寝屋川市と連携しながら取り組みを進めていきたいと思います。

昨年、アンケートを実施しました。今後、定例研修会で説明し、会員皆様のご意見をいただきながら、「保護司相互の緊密な連携」と「サポートセンターの円滑な運営」を目標に取り組んでいきたいと考えています。

明治時代に日本で生まれた保護司制度は、これまでにフィリピンやタイ、ケニアなど少なくとも6か国で同じような制度が導入されています。今年3月、法務省は、国連と共に京都市で「世界保護司会議」を開催し、この制度の各国への導入や、国際社会に取り組みを促すため国連国際デーの一つとして「HOGOSHI DAY(世界保護司デー)」の制定をめざすことを盛り込んだ「京都保護司宣言」を採択しました。「HOGOSHI」が日本の前向きな取り組みをアピールする言葉として世界の共通語になる日も近いかもしれません。

最後になりましたが、楽しく充実した保護司会にすべく努めてまいります。ご指導・ご鞭撻をよろしくお願いいたします。皆様方のご健勝をご祈念申し上げます。

会報72号 会長巻頭言「一生を懸命に生きる」  

あけましておめでとうございます。昨年は、新型コロナウイルス感染症の関係から世の中のすべての活動がマヒし、学校、病院、企業等に多大な影響が及び、先行きが見えない状態でした。今年に入ってもまだまだ予断を許さない状態です。 

しかしこのコロナが、明治維新や終戦の時と同じように、私たちの社会、経済生活、文化を変革し、新しい時代を迎えさせようとしています。時代は動いている。 

寝屋川地区保護司会も変革を余儀なくされています。コロナ禍の渦に巻き込まれて本来の舵取りができません。帆はほころび、乗組員は高齢化し、課題山積ですが精一杯努力しています。しかし、このままではいつか壊れてしまいます。 

保護司の使命である社会奉仕の精神や犯罪予防の啓発等、地域社会の浄化を図り個人及び公共の福祉に寄与するという意味から、お互いが励まし合い、支え合う気持ちで「明るい社会」作りに向かってほしいと思います。明るいとは日と月と書きます。保護司活動は、昼は太陽の日の中で、夜は月のあかりの中で、昼となく夜となく活動することで「明るい社会」が生まれるのだと思います。 

コロナ禍の社会の犯罪予防活動について、サポートセンターの積極的な運用が大事です。他の地域では、相談支援活動の進展、非行・犯罪相談が行われています。保護観察を終了した少年や受刑者の身元引受相談、医療機関や社会福祉事務所への橋渡し、学校と連携した長期欠席児童生徒への学習支援、薬物事犯対象者家族への相談支援、様々な分野との連携活動を進めることも大事です。 

今年はオリンピックイヤー。明るいニュースに満ちた一年であってほしい。難しいことだけれど、誠心誠意をもって生かされている命を活かしきることに尽くしたいものです。 

『一生を懸命に生きる』