研修部の主な活動

私たち保護司は守秘義務など法的なこと、環境調整や面接の方法、薬物対象者の対応など学ぶべきことはたくさんあります。研修部では様々な研修を通して一人一人の保護司の自己研鑽を助けます。毎年、保護観察所と連携しながら定例研修会の充実に努め、管外研修や日帰り研修の計画、実施を行っています。 

令和4年度の研修報告

 三団体合同研修会

  • 日時 令和4年316()
  • 場所 市民会館第1会議室
  • テーマ 「寝屋川市いじめ解決に係る新アプローチ」
  • 講師 寝屋川市危機管理部監察課 課 長 國村幸司 氏
    寝屋川市教育委員会    教育監 山口健司 氏

 子ども達を取り巻く状況は、「いじめ」「不登校」「虐待」等諸問題が複雑に絡み合い、学校に求められる対応は幅広くなってきている。文部科学省がいう「チーム学校」について、本市でも多様な人材の専門性を生かし同じ方向で取組んでいる。

子ども達の考える力をつける道徳教育やディベート教育の推進により「寝屋川だから学べる」寝屋川の教育を確立。教職員が同じ視点で「寝屋川スタンダード」の学習法に取り組み、全国学力学習状況調査においても成果が出ている。

生徒指導では、各校でのケース会議にスクールソーシャルワーカーが参加、保、幼、小、中関係諸機関と連携し、問題の未然防止に繋げている。

総合教育研修センターでは、登校支援教室、さわやかフレンド、電話相談等を実施。開発的生徒指導(一部の問題ある子どもだけではなく全員が充実した学校生活を送れることを目ざす生徒指導)として、小6の全ての児童にピア・サポート・プログラムによる人間関係づくりのアクティビティを行い、小中間の段差をなくし、不登校減少に繋げている。令和2年度の不登校児童・生徒千人率は、全国・大阪府が上昇傾向にあるのに対し寝屋川市は減少傾向にある。

いじめは、早期発見・早期対応が重要である。中学校では「中学生サミット」を開催し、「寝屋川スマホ・ネット5か条」を独自に制定し、健全な学校生活を提唱している。

平成23年の大津市いじめ事件がきっかけとなり、2年後「いじめ防止対策推進法」が成立。国・地方自治体がいじめ防止に責任を負う事が明文化された。

本市ではこどもを守る課が対応していたが、実際には学校や教育委員会が行っていた。いじめは人権侵害で人権問題であるという認識から、令和元年10月市長部局に監察課ができた。

学校・教育委員会ではない市長部局がいじめ対応を行うのが危機管理部監察課である。監察課ができた意義は、より多くの目で子どもいじめに関わることができるようになったこと。教育委員会と危機管理部で役割分担ができるようになり学校側も好意的に捉えている。

各校では、学期に一回児童・生徒にアンケートを実施、教育委員会に報告するとともに監察課とも情報を共有している。

本市のいじめ認知件数に関する統計では小6から中1で倍近くになっている。小学校低学年では身体接触。高学年になるとSNSやスマホ操作等学校外でのいじめが主に認知されているが、全国・大阪府と比較すると本市は非常に少ないと言える。

監察課では、調査・勧告ができるよう条例を定め、法的措置が必要な場合、裁判費用を本市が負担することもできる。「いじめ情報チラシ」を毎月1回配布。また、6月と11月には保護者向けチラシも配布するなど啓発に努めている。(参加者41名)

 

令和3年度の研修報告

第三期定例研修会 

  • 日時 令和31112()
  • 場所 市民会館第1会議室
  • テーマ 「新たな類型別処遇」
  • 講師 大阪保護観察所 主任保護観察官 北口 拓哉 氏

類型別処遇とは、犯罪・非行の態様等によって共通する特徴的な問題性や特性等をあらかじめまとめておき、それぞれに当てはまる保護観察対象者に焦点を当てた効率的な処遇を行うことを目的としたものです。

この研修は、CFP(第1期定例研修の記事を参照して下さい)の実施と合わせ、新たな類型別処遇が導入されたもので、新設されたり、変更のあった類型について確認し、今後の処遇に役立てるためのものでした。(参加者44名)

 

令和3年度の研修報告

第一期定例研修会 

  • 日時 令和3年713日(火)
  • 場所 寝屋川市民会館第1会議室
  • テーマ 「アセスメントに基づく保護観察」
  • 講師 大阪保護観察所 主任保護観察官 北口  拓哉 

今回は、令和31月から実施されたアセスメントツールであるCFPの概要と処遇区分に応じた処遇の実施や変更点についての研修でした。これまで保護観察官がアセスメント(見立て)を行う体系的な手法は確立されておらず、処遇方針の決定が保護観察官の経験や力量に左右されてしまうことがあったが、これを解消するため、今般開発されたツールであるCFPを活用し、体系的なアセスメントを実施することでより適切に処遇方針を決定し、効果的な再犯防止、改善更生の実現をめざします。

アセスメントとは対象者の情報を集め、何を指導し、どのようなかかわり方をする必要があるかを考えることです。「見立て」とも言います。
CFPとは(Case Formulation  Probation/Parole)の略。

CFPには8つの領域があります。

  1. 家庭
  2. 家庭以外の対人関係
  3. 就労、就学
  4. 物質使用
  5. 余暇
  6. 経済状態
  7. 犯罪非行や保護観察の状況
  8. 心理、精神状態

  以上8つの領域に着目し、「犯罪または非行に結び付く要因(問題)」や「改善更生を促進する要因(強味)」を把握します。従って保護観察経過報告書(甲)の様式も変更されました。(参加者48名)

この研修において、参加できなかった方にもより理解していただくために、広報部がいくつかの点を北口主任官に質問してみました。

Q どこが変わったのですか?

A 令和31月より『アセスメントに基づく保護観察』が始まったことに伴い、保護観察開始当初に作成し、先生方に送付している「保護観察の実施計画(保護観察事件調査票に含まれる)」が一部変更になっています。8つの領域に基づき、非行や犯罪に至った経緯を考え、強みと弱みを見つけ、改善更生に向けて処遇方針を立てるというものです。

「段階別処遇」から「処遇区分」に変更されました。再犯リスクの度合いによって区分が決まり、面接回数、往訪の頻度が変わってきます。また良好措置(解除するにはC区分であることが条件等)や不良措置の重要な指標となります。

保護観察経過報告書の一部が変更となっています。「保護観察対象者の生活及び行動の状況」欄です。8つの領域に基づき記載欄が整理されました。

Q 変わった点で我々が留意する点は?

A  CPFは今ある情報を基に組み立てています。対象者の強みと課題に焦点を当て、先の見通しを持って指導をお願いします。

保護観察経過報告書が変更となっています。記載欄を意識して、対象者との面接等を実施してください。不明な点や未確認の場合は、「不詳欄」にチェックしてください。

状況は変化していきます。そのときの現状に基づきなが指導方針も変化させる必要があります。本人の理解と指導のため、まずは情報収集をよろしくお願いします。

CPF実施に伴い、あらたな『類型別処遇』が導入されました。「特殊詐欺」など新設されています。配布済みの『保護司版 類型別処遇ガイドライン』を指導の際の参考にしてください。(第3期定例研修会のテーマです)

様式の変更いかんに関わらず変わらない点があります。

保護観察の基本は、面接等接触です。本人の心情や状況を把握していくことが大切となります。

一度にすべてを把握することは難しいと思われます。また、なかなか約束を守らない対象者もいると思います。まずは、相手に関心を持ちながら接し、信頼関係の構築をめざすようにしてください。