【会報75号より】この人に聞く『寝屋川警察署生活安全課課長』

 少年を取り巻く犯罪情勢について教えてください。

大阪府下における少年の検挙・補導人員は年々減少しており、令和3年中は、1974人、前年比マイナス14・7%です。寝屋川署管内においても同様の傾向が見られます。一方で、大麻事犯で検挙される少年は平成30年から急増し、令和3年中は過去最多の150人が検挙され、深刻な状況です。昨年、大阪府下において大麻事犯で検挙された者の内、10代、20代が全体の80%を占めるなど、大麻が若者に蔓延してきていると言えます。10代の占める割合は約32%で、その内高校生が約27%を占めています。寝屋川署でも令和3年中に大麻事犯で少年を検挙しています。

大麻が少年に蔓延している要因は何ですか。

要因の一つに「インターネット等の誤った情報」が挙げられます。インターネットが社会生活の基盤となり、スマートフォンが少年にとって身近な存在である中、「大麻はタバコよりも害が少ない」「タバコやアルコールよりも依存性が低い」「大麻が合法な国がある」(実際は未成年の使用等を認めている国はない)といった誤った情報を少年が鵜呑みにしている状況があります。SNS上に溢れているこれらの情報が大麻へのハードルを下げていることが推察できます。周囲の先輩や知人が大麻を使用していたり、インターネットを通じて得た大麻使用を肯定するための都合のいい情報を集めたりするなど、好奇心が刺激されると考えられます。

少年たちは大麻をどこから入手しているのでしょうか。

殆どがSNSを通じての入手又は友人や先輩等知人からの入手であり、ほぼ同じ割合です。

大麻を初めて使用した動機で多いのは何ですか。また乱用の理由はどんなものがありますか。

  大阪府警が特定の期間内に大麻事犯で検挙した少年に実施した調査・分析では殆どの少年が興味本位と回答しています。「以前から興味があった」「断わる気がなかった」という者が多く、中には「断れない」「仲間外れにされたくない」という理由もあります。動機の背景としては先輩、友人、知人からの勧めが約63%を占め、ネット情報によるものが約30%となっています。 

乱用の理由は左のとおりです。

少年たちは大麻の危険生について認識しているのでしょうか。

殆どの少年が違法と分かっていながら興味本位で手を出しており、半数以上の少年が捕まることはないと考えているようです。

 大麻を使用するとどんな症状が現れるのですか。

脳に作用し、様々な不具合を引き起こします。乱用すると記憶や学習能力が低下し、知覚を変化させます。また、何もやる気がしない状態や人格の変容、大麻精神病等が引き起こされ、社会生活に適応できなくなることもあります。調査した少年の大半が大麻を吸うと「音がよく聞こえる」「気分が落ち着く」などの快楽を感じている一方で、「妄想に襲われる」と感じている者もいます。「大麻はやめられる」「依存性はない」などと考えている者がいますが、実際は半数以上が週に一回以上使用するなど、やめられずにいるのが現状です。

警察からこれを読んでくれる人に伝えたいことは何ですか。

検挙された少年の殆どに喫煙習慣があり、大麻を自宅で吸っていても親が気づかないケースがあります。大麻は、ゲートウェイドラッグと呼ばれ、覚せい剤や麻薬などに手を染める入口になるケースが多く、実際に約一割の者が他の薬物に手を出しています。少年は「大麻は害がない」などという誤った情報と好奇心で、周囲に使用者がいると積極的に近づく傾向があるので、皆様の活動を通じて、交友関係、家庭環境、少年の言動、行状、風評等から、大麻を使用しているかもしれないと感じた場合は躊躇なく警察に情報をお寄せ下さい。

インタビューを終えて

寝屋川署管内の少年の検挙補導人数が年々減少傾向にあるのは、小中学校で非行防止教室を毎年実施してくれている成果だとお聞きして、根気強く活動を続けることの大切さを改めて感じました。また、生活安全課のデータをグラフ化してみて、平成30年以降高校生に大麻が急増している状況が浮き彫りになり、危機感を抱きました。少年を大麻から守るために何ができるか、今一度みんなで考えてみる必要があるのではないかと強く思いました。

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