「オランダの更生保護事情」
五中校区 丸山 涼子
毎月届く「更生保護』の折り込み案内を見て、昨年四月、富山まり子保護司と二人で全国保護司連盟主催の国際研修ツアーに参加した(自費)。
前半二日間は、①ハーグ・ライデンの更生保護施設視察 ②世界保護司視点デー宣言採択記念レセプション®オランダ司法安全省矯正施設庁の講義9国際刑事裁判所視察という、同時通訳を介してみっちり四つの研修を受けた。
後半三日間は、アムステルダム、ハーグ、ブルージュの世界遺産を巡るという企画だった。この研修ツアーの一番の収穫は、オランダ・ライデンの更生保護施設や司法安全省の講義から、オランダにおける最新の更生保護事情や考え方を知ることができたことだ。
エクソダス更生保護施設ではとてもフレンドリーな対応を受けた。
支援スタッフだけでなく収容されている対象者目らプレゼンを買って出てくれ、数々の質問にも懇切丁寧に応えてくれたことにまず驚き、自身が装着しているアンク保護司国際研修ツアー①ルバンドと呼ばれる逃走防止用発信機がついた拘束具を私たちに見せてくれたことにも驚いた。実際に生活をしている施設内を案内してくれた時には「僕の部屋も見ますか?」と子どもの写真が飾られたプライベートルームに招き入れてくれたりもした。
オランダではスタッフだけではなく多くのボランティアも大きな役割を担っているという。収容されている対象者一人一人の長所や強みを見つけてポジティブに更生に導こうという思ライデンの更生保護施設視察いが浸透していることを聞き、感銘を受けた。
しかし、近隣住民を招いて食事会を開いて積極的に交流を図ってはいても、収容者や保護施設への理解がなかなか近隣地域に浸透していかないというもどかしさがあり、それを包み隠さず素直に語ってくれたことに好感が持てた。
また、司法安全省矯正施設庁では、それぞれ複雑な問題を抱えている収容者の社会復帰に対して、ソーシャルワーカーが二ーズの把握をするなど人とのつながりやソーシャルネットワークを大事SecuryIvesa司法安全省での研修風景にしているとの説明があった。加えて、単に住居や就労だけではなく「生きがい」にも着目した内在的問題の解決や、どういう環境で刑期を過ごさせるとよいのかといった環境面でのトレーニングをスタッフに課すなど、育成に力を注いでいるという報告が強く印象に残った。

