【令和7年度】三団体合同研修会

■実施日:令和7年3月7日(金)
■場所:市民会館第1会議室
■テーマ:犯罪者の更生支援に大切なこと
■講師:こども家庭庁参与辻由起子氏


「どうすれば家庭・地域・社会がよくなるか?」という大きなテーマを正面から捉えた話が展開されました。始めに、辻さんが歩んでこられた人生で社会の厳しい現実に向き合わざるをえない状況に追い込まれ、自分らしく生きるために現実と戦い、生き抜いてこられたという話がありました。人生の課題を自らの知恵で乗り越えてこられた人だけが語れる話を今回の講演でうかがうことができたように思いました。我々保護司の更生支援において原点にある隠れた問題の提起があったように思いました。「健康、お金、時間、どれか一つでも知けたら心に余裕をなくす」特に「経済的貧困は、心の貧困につながりやすい」。その根拠としてマズローの欲求5段階説の話がありました。人はまず低階層の欲求を求め、その後より高い欲求へと移行していきます。第1は生理的欲求(食欲、健康等の基本的な欲求)。第2は安全欲求(健康、経済的安定等の安全で安心な生活の欲求)。そして、所属と愛の欲求。承認欲求。第5の自己実現欲求へと高まっていきます。しかし、第1と第2の衣・食・住の欲求がかなえられない人にとっては、その解決(生きていくこと)の為に、犯罪に陥る可能性が日本の社会では、極めて高くなっているという示唆がありました。では、どうすればよいか「人との出会いで人生は変わる」という言葉が語られました。一人でいいから憧れの人を見つけ、自分がつぶれる前に「助けて」と言葉に出して頼れる『受援力』を身につけることが大切だと話されました。最後に更生支援の『ポイント』として「行為は否定しても、人格は否定しない」など、8つのポイントを示し(研修資料3)、私たち保護司の活動に大きな示唆を与えてくださり講演を閉じられました。(参加者41名<保護司29名>)(広報部人江正)

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