【会報76号より】視点:「トモローランド」の夢1

「トモローランド」の設立

友中校区 財津  修

2010年、友呂岐中学校PTA会長を拝命した年に、寝屋川初の民間人校長として着任された牧野校長との共同作業で、友中校区に学習支援教室「トモローランド」を立ち上げた。

 学習支援というと、「大学生」か「元教師」が子どもに教えるというのが一般的だが、このような特殊解ではなく、地域のだれもができる一般解での学習支援を目指した。

そのために教材にこだわった。幸いその解を「有限会社らくだメソッド」の教材に見いだし、契約を結んだ。年間使用料25万円の支払いにその後苦しんだが、教材はすばらしく、当初の目的に沿うものであった。

 この12年間、地域のクチコミが主な広報手段であるにも関わらず、コンスタントに20名以上のお子さんが参加してくれたことは、保護者とお子さんに受け入れられた証左だと自負している。

一方蜜月関係にあった学校とは妙に距離感が生じ、ついには教室を学校内から地域へ移した。一つの原因は、教育委員会が打ち出した「スマイル塾」にある。私たちは「スマイル塾」を否定も肯定もしないが、学校はそうはいかず、まずは「スマイル塾」にと言う。

 子どもたちの意識は多様化し、学校だけが学びの場という考えはすでに過去のものになりつつある中で、多くの学びの場を準備し、選択肢を用意することは子どもたちの学びを保証することにつながる。「スマイル塾」も「トモローランド」もその一つと思う。しかし、現実はそうはならない。

 学びの中心は「学校」であることは今までもそして今後も変わらない。しかしそれを補完する学びの場として多くの場が今後ますます重要になってくると考える。学校に過度に期待すると学校を苦しめる。健全にシェアすることが必要と思う。

 私たちの目的は、第一には学習支援であるが、それに比肩する第二の目的は、「子どもと第三の大人の出会いの場」の提供であると考えている。核家族化が進み、多くの子どもは「親」と「先生」以外の大人に出会う機会がほとんどないまま育つ。それは不幸である。多くの価値観を持つ多様な大人に出会うことは、子どもの成長に不可欠である。

 こうして考えると、「学びの場」「出会いの場」としての「トモローランド」を一つの中学校区に築き上げたことに満足していてはいけない。寝屋川の全小学校区を視野に置いて、今後何ができるかを考えねばならないという思いに至った。

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