会報第71号 会長巻頭言「先人の心に学ぶ更生保護」

総会も終わり、新生地区保護司会もスタートしました。今年度も重点目標として、保護司の適任者の確保と充足率向上の推進、犯罪予防活動、再犯防止活動のための推進計画の早期策定が望まれる。我々保護司も、この事を踏まえて、地域のため、社会の一員として協力し、かつ初心に戻り、保護司活動に努力せねばならないのではないか。 

更生とは、一字にすると甦ると書き「よみがえる」と読みます。生き返ると言うことです。罪を犯した者を更生させるのが保護司の仕事です。文武天皇の時代に「子は有るも嘆き」という言葉がある子があれば良い子に育ってほしいと願い、無ければ産院から盗む人もあるというのに自分のお腹を痛めた子を虐待する親もいる。「碧厳録」という仏教書に「明珠在掌」(みょうじゅたなごころにあり)子どもは皆正しい心をもって生まれてくるが、家庭、友人、地域によって悪い方へ向かうことがあるという。また、教育の大切さをつたえ、思いやりの心を育てた人物として、台湾・台南に15万㏊のダムを造って穀倉地帯にしてくれた八田典一や二宮金次郎やナイチンゲールなどがあげられる。渋沢栄一は、経営者は社会公共事業に貢献しなければいけないと、身寄りのない老人や子どもたちを保護するため、養育院を運営した。榊原亀三郎は、博徒から一念発起して保護を必要とする社会的弱者の救済所を造った。また金原明善や留岡幸助は更生させることも大切だが、罪を犯せないようにする非行化防止が大切であると説いた。原胤昭は更生保護施設を運営するだけでなく虐待を見聞きした人は是非知らせてほしい。手紙は受取人払い、住所氏名も書かなくていい、かわいそうな子どもを救ってやりましょうと呼びかけた。我々保護司は、まだまだ色々な人々を知るべきである。 

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