【会報73号より】この人に聞く2

■対象者との信頼関係を築くのは大切なことですが、どのように対応したらいいでしょうか?

 保護観察では毎月対象者と面接の中で信頼関係を築いていただいています。しかし、面接日を守らない、何を聞いても返事のみでどのように関係を作っていけばよいのか相談を受けることもあります。信頼関係を築いても、約束を守ることが苦手だったり、保護観察よりも自己都合の方を優先しがちな人もいるでしょう。ルールを守ることは今後の社会生活に役立つなどプラスの面を説明し、守れた時はしっかりほめることも大切なことだと思います。

対象者の特性により、約束の前日に保護司側から連絡するという方法も有効かと思います。自分のことを話そうとせず、聞かれたことは返事のみという対象者もいます。特に思春期は、自分でも自分の内面がわからない時期でもあります。気長な対応となりますが、趣味や好きなものを聞くなど、その人が関心を抱いていることを話題にして口火を切っていくことも一つの方法です。

お困りの時は主任官面接を要請するなどお気軽にご相談ください。

■環境調整において保護司の第一の役割はどんなことですか?

 保護司の立場や引受人の役割を説明し十分に理解してもらってください。その上で引き受け意思を確認願います。保護司には守秘義務があり、保護観察所以外に情報が洩れる事はないことを説明願います。

■住居の確認ができない、電話がつながらない等、引受人に会えない時は? 

 初めて接触する引受人への電話がつながらなければ一度帰住予定地への訪問をお願いします。住居が存在するか居住の有無や外観の様子などを確認の上、主任官に一報願います。なお、引受人宅を訪問していただく場合には、引受人本人が出なかったときは、保護司と名乗ることや対象者の情報を伝えることはせず、保護司個人の名前を名乗り、引受人と連絡を取りたい旨伝えるなどし、引受人との接触を試みてください。

■寝屋川地区の保護観察の対象者の傾向は? 

 未成年の割合が多いです。未成年者は無免許運転や暴走などの交通事案、成人は薬物や性的事案が多いです。全体の約70%が未成年です。

無免許運転をする理由はストレスの解消、移動手段、周囲の友人が免許を取得し一緒に遊ぶためなどです。昨今はツイッターなどSNSを通じてバイクを手軽に購入できる状況であり、事件になって初めて保護者が知るという事も少なくありません。        

■少年を指導する上で大切にすることは?

 面接で無免許運転の危険性について指導し、理解してくれたと思っても、後日、無免許運転で検挙されたことを知り愕然とすることもあります。まだ若く、自分事として想像できないのかもしれませんが、無免許運転が引き起こす重大な結果について、未来多き少年たちに理解してもらいたいと切に望みます。       

■寝屋川地区では12中学校区で薬物乱用防止教室を開催しています。薬物事件についてご意見をお聞かせください。

 成人の約半数が薬物事案です。保護観察での対応は、薬物再乱用防止プログラムの受講を義務付けることがあり、再び覚せい剤を乱用しないようにするための具体的な方法を学んでもらっています。未成年の割合は成人に比べて少ないですが、大麻使用がみられるのが特徴です。

  薬物の初発は、単なる好奇心や近しい友人等から誘われた時、気楽な気持ちから使用することが多く見られます。しかし使用を重ねると、自分の力では薬物の乱用を止められません。

中学生に予防的な観点から薬物乱用防止教室を開催されておられるのは大変有意義なことだと思います。ぜひ将来にわたって素晴らしい活動を続けていただくことを希望します。

■特殊詐欺に関与している対象者はいますか?

 はい。簡単に金銭が手に入ると考えてSNSを通じて特殊詐欺の犯罪組織とつながることが多いです。遊興費欲しさや借金返済に充てるため、知人からの誘い等理由は様々ですが、一度でも犯罪組織とつながると脅されて抜け出せなくなり、末端の者だけが逮捕されることが多いと感じます。

■定期駐在について教えてください。どんな場合に利用できるのか。こちらからお願いしてもいいのでしょうか?

 定期駐在とは、地区主任官が年間計画で定められている日時に担当地区へ出張し、所定の場所で対象者との面接などをする他、担当保護司と協議を行ったりします。対象者の居住する地域内で面接するため、対象者や関係者にとって出頭のための交通費や精神面での負担が軽くなり、出頭しやすくなります。なお、担当保護司として定期駐在での面接を希望する対象者がいれば、あらかじめ積極的に主任官までご相談ください。

■コロナ禍の状況下で、観察所からも度々「新しい生活様式」を踏まえた面接の指導をいただいていますが、この機会にお聞かせください。

 面接に先立ち、電話等により体調の確認をし、発熱などの症状がある場合は、無理をせず面接を中止し、代替え手段は、電話による直接通話を原則としてください。

■9月に実施した保護司会のアンケートの回答で、返信があった方の殆どがスマートフォンを使用されており、Lineアプリなどを使われている方もおられるのですが、どのような点に注意すればいいのでしょうか?

 メールやライン等は情報発信が容易で非常に便利である一方、電話機を紛失したり情報が盗まれた場合は、多大な個人情報の流出につながってしまうおそれがあります。メールやライン等を使用する場合は、保護観察を受けていることが分かるような文面は避け、日時を決めたり面接前の体調確認など補助的な使用に限定していただきいたいと思います。対応に迷ったら主任官までご相談を!

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